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兄の事

私が小学の低学年のときである。ある日クラスメイトから私に『お前の兄貴は同級生からからかわれているんだよ』と言われ知った。

私と同様で、兄の元の性格はとても明るく活発だったが、同級生からかわれるようになってからは、一気に心を閉ざし引きこもり生活になってしまった。私と同じような対人恐怖症やコミュニケーション障害になっていったのだ。

兄がからかわれている事を、私の同級生から話を聞くたび恥ずかしさと嫌な思いをしていたが、『兄本人はもっと辛い思いをしているんだ』と思うと、私のこの嫌な思いをしているという事を、親や友達、先生、誰にも言わず我慢していつも平気なふりして聞いていた。

兄の担任から母に、『兄の事』を聞いたみたいだが、母から兄へ何と声をかけていたのだろう。私のいない所でちゃんとフォローしていたのかな。嫌な思いをしているのに毎日学校へ行っているから心配だった。兄へ声掛けしたかったが、嫌がらせを受けている事を妹から知られたり言われる事に、兄は多分嫌な思いをするだろうと思って、私は何もしてあげる事が出来なかった。心を閉ざしている兄に声掛けが出来ない。そもそも私も家族とのコミュニケーションの取り方が分からなかった。私が知る限り小学の高学年から兄は友達がいないように思えた。

私が中学に入っても『お前の兄ちゃんこんな事してたぞ。〇○されていたぞ。』と聞くたびに悲しみと嫌がらせをする人への怒りと、私にわざわざ告げ口する人が嫌でしょうがなかった。『お前の兄ちゃんは○○だ』と特に男子から言われる事が多くなったので、男子と話をするのが怖くなった。私の対人恐怖症やコミュニケーション障害になったきっかけだと思う。

『お前の兄貴は○○』とかもう言われたくないから、高校は離れた学校を選んだ。男子恐怖症にもなったから女子高に入った。見事に開放された。平穏無事な高校生活を送れた。コミュニケーションをとるのが苦手だったから友達作りは苦労したが、親友と呼べる友達が一人できた。

兄も隣町の高校に入り毎日学校へ通っていた。休日も相変わらず自分の部屋にずっといたから高校の頃も友人はいなかったのかな。今も兄とは話が出来ないままである。

れみぃでした。